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2024年6月6日、消費者庁は美容クリニックを運営する医療法人社団「祐真会」に対し、景品表示法違反(ステルスマーケティング告示違反)に基づく初の措置命令を出しました。インフルエンサーに無償で施術を提供する代わりに、広告であることを隠してInstagram等に投稿させたことが原因です。
このニュースは、これからSNSアフィリエイトやブログでの副業を考えている私たち50代にとって、決して対岸の火事ではありません。
本記事では、この重要なニュースの具体的な事実と背景を整理し、副業に取り組む私たちが知っておくべき今後の見通しや法的なリスクについて、落ち着いて解説していきます。
2024年6月、医療法人社団「祐真会」にステマ規制初の措置命令
結論から申し上げますと、2023年10月1日に「ステルスマーケティング(ステマ)規制」が施行されて以来、初めての摘発事例が誕生しました。
消費者庁の発表によると、処分を受けたのは「マリアクリニック」などの名称で美容医療クリニックを展開する医療法人社団「祐真会」(東京都)です。
実際に何が行われていたのか(事件の詳細)
この事件において、祐真会は複数のインフルエンサーに対して、医療脱毛などのサービスを無償で提供しました。その見返りとして、自身のSNS(主にInstagram)において、クリニックでの体験に関する好意的な投稿を行うよう依頼していたのです。
問題の核心は、それらの投稿に「PR」や「タイアップ」といった、事業者からの依頼であることを示す表記が一切なされていなかった点にあります。
消費者庁は、これが一般の消費者から見て「事業者の表示であることが判別困難な表示」に該当すると判断し、景品表示法違反としての措置命令に踏み切りました。関与したインフルエンサーの具体的な人数は数十名規模に上るとも見られており、影響の大きさが伺えます。
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— 大滝 学
なぜ「PR表記なし」が違反になるのか?事件の背景と経緯
なぜ今回の件が、法的な処分にまで至ったのでしょうか。その背景には、国が消費者を守るためのルールを大きく見直したという経緯があります。
2023年10月施行の新ルールが明確な基準に
日本では長らく、ステルスマーケティングそのものを直接取り締まる法律が存在せず、業界団体の自主規制などに委ねられていました。そのため、「広告だとバレなければいい」というグレーゾーンの宣伝手法がSNS上で横行し、消費者が純粋な口コミと広告を区別できず不利益を被るケースが問題視されてきたのです。
そこで2023年10月1日、景品表示法の「不当表示」の対象として、ステルスマーケティングが明確に追加(ステマ告示)されました。
これにより、「事業者が第三者に依頼して表示させているにもかかわらず、そのことが消費者に分からないよう隠す行為」は、明確な法律違反となりました。今回の祐真会の件は、まさにこの新ルールが厳格に適用された象徴的な第一号のケースと言えます。

過去の景表法違反と今回の摘発が意味すること
これまでの景品表示法違反といえば、「効果がないのに『絶対に痩せる』と書いた」といった優良誤認や、「通常価格より安いと嘘をついた」という有利誤認が主な対象でした。
しかし、今回のステマ規制違反は、「投稿の内容が事実かどうか」に関わらず、「広告であることを隠したこと自体」が処分の対象となっています。
インフルエンサー個人は罰せられないのか?
ここで疑問に思う方がいるかもしれません。「依頼されて投稿したインフルエンサー自身は処罰されないのか?」と。
現在の法律において、景品表示法の措置命令の対象となるのは、あくまで商品やサービスを提供する「事業者(広告主)」のみです。そのため、今回関与したインフルエンサー個人に対して、行政からの直接的な罰則が科されることはありません。
だからといって、「発信する側には無関係」と考えるのは非常に危険です。
むしろ、SNSで商品を紹介する副業を行う私たちにとって、ここからが最も重要なポイントになります。
私見・考察:今後の広告業界と50代アフィリエイターへの影響
このニュースを通して、一人の発信者として私が強く感じたのは、今後の広告業界における「コンプライアンス(法令遵守)の厳格化」がかつてないスピードで進むだろう、という確信です。
提携解除とアカウント停止の現実的なリスク
企業(広告主)側から見れば、自社の製品を紹介してくれるアフィリエイターやインフルエンサーが「PR表記」を怠っただけで、自社が行政処分の対象になり、ニュースで社名が報じられ、社会的な信用を失うリスクを抱えることになります。
これは企業にとって致命的なダメージです。
そのため今後は、ASP(仲介会社)や広告主による、発信者のチェック体制がより一層厳しくなると予想されます。
ルールを守らない発信者は、即座に提携を解除されたり、ASPのアカウントを凍結されたりする可能性が高まるでしょう。「知らなかった」という言い訳は、もはや通用しない時代に入ったのです。

「誠実さ」こそが最も手堅い副業の武器になる
私は常々、50代からの副業において最も大切なのは「誠実さ」だとお伝えしてきました。
今回の事件は、一部の利益を優先してルールを軽視した結果が、いかに大きな代償を払うことになるかを示しています。定年後の資金作りのために始めた副業で、知らず知らずのうちに不正な宣伝に加担し、積み上げてきた信用を失うようなことは、絶対に避けなければなりません。
私たちは、無理に自分を大きく見せたり、広告であることを隠したりする必要はありません。
「これはPRです」と堂々と明記した上で、自分が本当に良いと思ったもの、あるいは誰かの悩みを解決できる手立てを、自分の等身大の言葉で丁寧に伝えること。
アルゴリズムの抜け道を狙うのではなく、読者に対してどこまでも透明でいること。それこそが、長期的に信頼され、結果として最も安心できる副業の形だと私は考えています。
まとめ
2024年6月に下された、医療法人社団「祐真会」に対するステマ規制初の措置命令は、広告業界全体に法令遵守を突きつける歴史的なニュースでした。
無償でサービスを提供する代わりにPR表記なしで投稿させた事業者が処分を受けたという事実は、発信する側である私たちにも「透明性の確保」を強く求めています。法律の対象が企業であっても、ルールを守らない発信者は今後、市場から淘汰されていくでしょう。
これからSNSやブログで副業を始める50代の皆様は、決して焦る必要はありません。
紹介する際は必ず「PR」「広告」と分かりやすく明記し、読者を騙さないこと。長年の人生経験で培った「誠実さ」を武器に、ルールを守って着実な一歩を踏み出していきましょう。
よくある質問
Q. ステマ規制に違反した場合、発信者(アフィリエイター)も逮捕されたり罰金を払わされたりするのですか?
A. 現在の景品表示法において、行政処分の対象となるのは商品やサービスを提供する事業者(広告主)です。そのため、発信者個人が直接行政から罰せられることはありません。しかし、ASPからのアカウント凍結や、企業からの損害賠償請求、社会的信用の失墜といった重大なリスクを負うことになります。
Q. SNSの投稿だけでなく、個人のブログでも「PR」の表記は必要ですか?
A. はい、必要です。SNSに限らず、ブログ、YouTube、メールマガジンなど、事業者の依頼を受けて商品を紹介し報酬を得るすべての媒体において、読者が「これは広告である」と明確に認識できる表記(「PR」「この記事はプロモーションを含みます」など)が義務付けられています。
Q. 自分で買って本当に良いと思った商品を紹介する場合も、PR表記は必要ですか?
A. 企業からの依頼や報酬(無償提供を含む)が一切なく、完全に個人の自由な意思で購入・紹介する場合は「純粋な口コミ」となるため、PR表記は不要です。ただし、そこにアフィリエイトリンクを貼って報酬を得る場合は広告とみなされるため、明確な表記が必要となります。
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