会社員必見!副業で収入を得た場合の確定申告のやり方と具体的な手順

パソコンに向かって書類や領収書を整理しながら、穏やかに微笑む50代男性 未分類
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結論からお伝えします。国税庁がネット副業の無申告に対する監視を強化する中、会社員の副業で確定申告が必要になる基準は、売上ではなく「副業収入 - 経費 = 所得(20万円超)」となった場合です。

この数式と基本ルールさえ最初に把握しておけば、税金の手続きを過度に恐れる必要はありません。

この記事では、50代から副業を始めた筆者の実体験や最新の税務調査の動向を交えながら、確定申告が必要な基準、雑所得と事業所得の違い、そして会社に知られないための具体的な対策まで、定年前後の世代が安心して副業の第一歩を踏み出せるよう丁寧に解説します。

  1. ネット副業の無申告にメス!国税庁の税務調査の実態とは?
  2. 会社員で副業の確定申告が必要になる基準とは?
    1. 経費を引いた「所得」が20万円以下なら原則不要
  3. 20万円以下でも確定申告が必要・有利になるケース
    1. 医療費控除やふるさと納税を行う場合
    2. 源泉徴収されているなら税金が戻ることも
    3. 住民税の申告は「1円でも」必要になるという罠
  4. 副業の所得区分:自分の収入はどれに当てはまる?
    1. アルバイトやパートは「給与所得」
    2. 多くの個人副業が該当する「雑所得」
    3. 令和4年の国税庁通達:事業所得と雑所得の境界線
  5. 白色申告と青色申告、どちらを選ぶべきか
    1. 手間が少ない「白色申告」
    2. 節税メリットが圧倒的な「青色申告」
    3. 私の実体験:会計ソフトの導入で世界が変わった
  6. 会社員が副業の確定申告を行うための具体的な手順
    1. STEP1:必要な書類を準備する
    2. STEP2:収入と経費を集計する(帳簿の作成)
    3. STEP3:確定申告書を作成する
    4. STEP4:申告書を提出し、納税(または還付)する
  7. 副業を会社に知られたくない場合の対処法
    1. 住民税の徴収方法を「普通徴収」にする
  8. 確定申告を忘れたらどうなる?知っておくべきリスク
  9. よくある質問
    1. Q. 副業での稼ぎは年間20万円以下ですが、確定申告した方がいいですか?
    2. Q. 経費の領収書は税務署に提出するのですか?
    3. Q. クラウドソーシングサイトの手数料は経費になりますか?
  10. 考察:確定申告は、副業を「自分のビジネス」に変える第一歩
  11. まとめ

ネット副業の無申告にメス!国税庁の税務調査の実態とは?

副業の普及に伴い、国税庁はシェアリングエコノミーやネット通販など、インターネットを利用した個人の副業に対する税務調査と取り締まりを年々強化しています。

ここ数年、政府が働き方改革の一環として副業を推進したことで、クラウドソーシングやフリマアプリ、動画配信などで収入を得る会社員が急増しました。しかし、それに伴って「税金の知識がないまま稼いでしまい、無申告になっているケース」が社会問題化しています。

国税庁が毎年秋に公表している「所得税及び消費税調査等の状況」という最新のレポートによると、インターネットを通じて事業を行っている個人に対する税務調査の件数は高い水準で推移しており、申告漏れが発覚した際の1件あたりの追徴税額は平均して数百万円規模に上ることも報告されています。

なぜ個人の小さな副業でも税務署に把握されるのでしょうか。その背景には、取引のデジタル化があります。現在、クラウドソーシングサイトや各種プラットフォーム運営会社は、一定の要件を満たすと税務署へ「支払調書」という書類を提出する義務があります。つまり、税務署は「誰が、どのプラットフォームで、いくら稼いでいるか」というお金の動きを、データとしてすでに把握できる状態にあるのです。

「少額だからバレないだろう」「周りもやっていないから大丈夫」という自己判断は、今の時代においては非常に危険な考え方だと言わざるを得ません。だからこそ、私たちのようにこれから副業を長く育てていきたい世代は、まず正しいルールを知ることから始める必要があるのです。


会社員で副業の確定申告が必要になる基準とは?

会社員などの給与所得者が副業で得た「所得」が年間20万円を超えた場合、原則として所得税の確定申告が必要になります。

副業を始めたばかりの方が最初にぶつかるのが、「自分は確定申告をしなければならないのか?」という疑問です。ここで多くの方がつまずきやすいのが、「収入(売上)」と「所得」という言葉の違いです。

私も副業を始めた当初はここが分からず、クラウドソーシングでの売上が20万円を超えた瞬間に「税金を払わなければ!」と慌ててしまった経験があります。

税金の世界において、「収入」とは副業で得た売上や報酬の総額そのものを指します。一方、「所得」とは、その収入から仕事のためにかかった「経費」を差し引いた、手元に残る利益のことです。冒頭でもお伝えした「副業収入 - 経費 = 所得」という計算式がここで成り立ちます。

経費を引いた「所得」が20万円以下なら原則不要

売上が20万円を超えていても、経費を差し引いた後の金額(所得)が20万円以下であれば、所得税の確定申告は原則不要です。

具体的な例を挙げて計算してみましょう。たとえば、Webライターの副業で年間30万円の売上(収入)があったとします。一見すると20万円を超えているため、すぐに確定申告が必要だと思ってしまうかもしれません。

しかし、その仕事をするためにパソコンの通信費や参考書籍の購入代、打ち合わせの交通費などで年間12万円の経費がかかっていたとします。この場合、30万円(収入)から12万円(経費)を引いた「18万円」があなたの所得となります。

このように計算して所得が20万円以下に収まっていれば、国へ納める所得税の確定申告は免除される仕組みになっています。世間では「20万円の壁」という言葉だけが一人歩きしがちですが、大切なのは「経費を正しく差し引いた後の金額で判断する」ということだと覚えておいてください。

※画像はAIによるイメージ

20万円以下でも確定申告が必要・有利になるケース

副業の所得が20万円以下であっても、医療費控除を受けたい場合や、源泉徴収された税金の還付を受けたい場合などは確定申告が必要です。

「自分の所得は計算したら20万円以下だったから何もしなくていいんだな」と安心するのは、少し待ってください。実は、あえて確定申告をした方が金銭的に有利になるケースや、別の理由で申告義務が生じるケースが存在します。

医療費控除やふるさと納税を行う場合

代表的なのが、年間で多額の医療費を支払った際の「医療費控除」を受ける場合です。また、マイホームを購入した初年度の「住宅ローン控除」や、ワンストップ特例制度を利用せずに「ふるさと納税」の申告をする場合も当てはまります。

これらの控除は会社の年末調整では手続きできないため、ご自身で確定申告(還付申告)を行う必要があります。

そして、ここからが重要なルールです。いざ確定申告を行うとなった場合は、「副業の所得が20万円以下であっても、すべての所得を漏れなく申告書に記載しなければならない」と定められています。「医療費控除だけ申告して、副業の10万円は面倒だから申告しない」という、つまみ食いのようなことはできない仕組みになっています。

源泉徴収されているなら税金が戻ることも

もう一つ、副業の報酬を受け取る際に「源泉徴収(所得税の天引き)」がされている場合は要注意です。

たとえば、原稿料やデザイン料などは、取引先の企業があなたに代わってあらかじめ約10%の税金を天引きして国に納めていることがよくあります。この源泉徴収は、あくまであなたの経費を考慮しない概算で、多めに税金が引かれている状態です。

そのため、ご自身でしっかり経費を差し引いて正しく確定申告をやり直すことで、払い過ぎていた税金が戻ってくる(還付される)可能性が高いのです。面倒だからと放置してしまうと、せっかくの手取り収入を減らしてしまうことになりかねません。

住民税の申告は「1円でも」必要になるという罠

確定申告の基準でもう一つ、絶対に見落としてはいけない大きな注意点があります。それは、「副業所得が20万円以下なら確定申告は不要」というのは、あくまで国に納める「所得税」に限った話だということです。

私たちが住んでいる自治体に納める「住民税」については、この20万円という免除のルールは存在しません。つまり、副業での所得が年間でたった1円でもあれば、お住まいの市区町村へ住民税の申告を行う義務があるのです。

ただし、税務署へ所得税の確定申告を行った場合は、そのデータが自動的に自治体へと送付されます。そのため、改めて役所へ行って住民税の申告をするという二度手間は省けます。「所得税の確定申告をしない年に限って、自治体への住民税申告が別途必要になる」と整理して覚えておくと混乱しません。


副業の所得区分:自分の収入はどれに当てはまる?

確定申告をする際、会社員の副業収入は主に「給与所得」「雑所得」「事業所得」の3つのいずれかに分類されます。

副業と一口に言っても、休日にコンビニでアルバイトをする人もいれば、自宅でブログを書く人、不用品を販売する人など様々です。日本の所得税法では、所得をその性質に合わせて10種類に分類しています。確定申告の際には、自分の副業収入がどの所得区分に当てはまるのかを正しく判断しなければなりません。

アルバイトやパートは「給与所得」

本業の会社とは別に、飲食店やその他の企業に雇用されてアルバイトやパートとして働いている場合、そこで得たお給料は「給与所得」となります。

給与所得の最大の特徴は、自分で使った経費(交通費や備品代など)を実費として細かく差し引くことができない点です。その代わり、収入額に応じた「給与所得控除」という、みなし経費のようなものが自動的に適用されます。

複数の会社から給与をもらっている場合、年末調整ができるのは原則として本業の1社だけというルールがあります。そのため、それ以外のアルバイト先からの給与収入が年間20万円を超える場合は、ご自身で確定申告が必要になります。

多くの個人副業が該当する「雑所得」

会社員がインターネットを通じて単発で仕事を受けたり、アフィリエイトで収入を得たりした場合、その多くは「雑所得」に分類されます。雑所得とは、他の9種類の所得のどれにも当てはまらない「所得の受け皿」のような存在です。

定年前後の私たちが、これまでの人生経験を活かしてクラウドソーシングサイトで記事を書いたり、相談に乗ったりして得る報酬も、基本的にはここからスタートします。雑所得は、売上から実際にかかった経費を差し引いて、純粋な利益(所得)を計算する仕組みです。

令和4年の国税庁通達:事業所得と雑所得の境界線

副業が本格的になってくると、「事業所得」として申告できないかと考える方も増えてきます。後述する青色申告のような大きな節税メリットを受けることができるからです。しかし、副業が事業所得として認められるかどうかの線引きは、長年とても曖昧でした。

そこで令和4年(2022年)、国税庁より新しい通達が出され、この判断基準が明確化されました。この通達の最大のポイントは、「記帳・帳簿書類の保存がない場合は、原則として雑所得に区分する」と明記されたことです。

つまり、どんなに売上規模が大きくても、日々の取引をしっかり帳簿につけて保存していなければ、事業とは認められないということです。一般的に、年間の収入が300万円以下で、きちんとした帳簿の保存もないような片手間の副業であれば、ほぼ確実に雑所得とみなされます。

安易に「節税になるから」と事業所得で申告すると、後で税務署の調査が入った際に否認され、ペナルティを受けるリスクがあるため、正確な事実関係を把握しておくことが重要です。

【主な副業の所得区分まとめ】

副業の形態 主な所得区分 特徴と経費の扱い
アルバイト・パート 給与所得 雇用契約に基づく給与。実額の経費計算はできず給与所得控除が適用される。
クラウドソーシング、単発の原稿料など 雑所得 ネット副業の多くが該当。実費を経費にできるが、青色申告などの特別控除は利用不可。
継続的・反復的で帳簿をつけている本格的な事業 事業所得 青色申告が可能で、要件を満たせば最大65万円控除などの節税メリットが大きい。

最初はあまり難しく考えず、「アルバイトなら給与所得、ネットや個人で小さく稼ぐならまずは雑所得」と捉えておけば、大きな間違いはありません。


白色申告と青色申告、どちらを選ぶべきか

副業が本格的な「事業所得」になった場合、手間の少ない「白色申告」か、節税効果の大きい「青色申告」のどちらかを選択することになります。

もしあなたの副業が順調に育ち、「事業所得」として認められる規模と実態(帳簿づけなど)を備えてきた場合、申告方法を選ぶことができます。なお、先ほど説明した「雑所得」の場合は、自動的に白色申告扱いとなります。

手間が少ない「白色申告」

白色申告は、単式簿記というお小遣い帳のような簡易的な方法で帳簿をつけることができる申告方法です。事前の申請なども必要なく、売上と経費の合計額さえ分かれば申告書を作ることができます。

しかし、計算が簡単である代わりに、税制上の優遇措置(特典)はほとんど用意されていません。稼ぎが大きくなってくると、税金の負担がそのまま重くのしかかってくるのがデメリットです。

節税メリットが圧倒的な「青色申告」

青色申告は、国が推奨している申告方法であり、しっかりとした帳簿をつける代わりに大きな節税メリットを与えてくれる制度です。

最大の魅力は「青色申告特別控除」という仕組みです。一定の要件(複式簿記での記帳や電子申告など)を満たすことで、所得から最大65万円(または55万円、10万円)を無条件で差し引くことができます。これにより、納めるべき所得税や住民税を劇的に抑えることが可能になります。

また、万が一その年の事業が赤字になってしまった場合、その赤字を翌年以降3年間にわたって繰り越せる「純損失の繰越控除」という制度も使えます。これは、初期投資がかさんで赤字になった年のマイナスを、翌年の黒字から差し引けるという、ビジネス立ち上げ期に非常にありがたい制度です。

ただし、青色申告をするためには、事前に税務署へ「青色申告承認申請書」を提出期限までに提出しておく必要があります。

私の実体験:会計ソフトの導入で世界が変わった

「複式簿記なんて簿記の資格もないし無理だ」と思われるかもしれません。私も50歳を過ぎてからこの言葉を聞いたときは、正直言って尻込みしました。最初の年は手書きや表計算ソフトで帳簿を作ろうとして、休日の半日が丸々潰れるような苦労を味わいました。

しかし、思い切って民間のクラウド会計ソフトを導入してみたところ、世界が変わりました。銀行口座やクレジットカードを連携させれば、取引履歴が自動で取り込まれ、家計簿のような感覚で選んでいくだけで複式簿記の帳簿が完成するのです。今では、月末にコーヒーを飲みながらわずか30分ほど確認作業をするだけで、毎月の帳簿づけが終わってしまいます。

年齢を言い訳にせず、便利なデジタルツールを少しだけ勇気を出して使ってみることで、青色申告へのハードルは劇的に下がります。

※画像はAIによるイメージ

会社員が副業の確定申告を行うための具体的な手順

確定申告は「必要書類の準備」「帳簿の作成」「申告書の作成」「提出・納税」の4つのステップで進めます。

確定申告の期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までと決められています。この1ヶ月間の間に、前年1年間(1月1日〜12月31日)の所得を計算し、申告と納税を済ませる必要があります。

STEP1:必要な書類を準備する

確定申告の時期が近づいてから慌てないように、年明けから少しずつ手元に書類を集め始めましょう。主に必要となるのは以下の書類です。

  • 本業の源泉徴収票:年末調整が終わった後、12月〜1月に会社から配られます。
  • 副業の収入が分かる書類:取引先からの支払調書、請求書の控え、銀行の入金履歴など。
  • 経費の領収書やレシート:副業のために使ったお金の証明です(提出は不要ですが保存義務があります)。
  • マイナンバーが確認できる書類:マイナンバーカード、または通知カード+身分証など。
  • 控除証明書:医療費の領収書や、ふるさと納税の寄附金受領証明書など。
  • 還付金の振込先口座番号:税金が戻ってくる場合に指定します。

STEP2:収入と経費を集計する(帳簿の作成)

副業が雑所得や事業所得の場合、1年間の売上と経費をそれぞれ計算していきます。

ここで大切なのは、お金が振り込まれた日ではなく、「仕事が完了した日(取引が発生した日)」を基準に計上する「発生主義」というルールです。たとえば、12月に納品した仕事のギャラが翌年1月に振り込まれる場合、その売上は「12月の収入(今年の収入)」として計算しなければなりません。

経費として計上できるのは、「副業の収入を得るために直接必要だった支出」に限られます。自宅で仕事をしている場合は、家賃や光熱費のうち、仕事で使っている面積や時間の割合分だけを経費にする「家事按分(かじあんぶん)」という合理的な計算方法も使えます。

STEP3:確定申告書を作成する

集計が終わったら、申告書の作成に入ります。手書きで作成することも可能ですが、計算ミスを防ぐためにデジタルツールの活用を強くおすすめします。

もっとも手軽で安心なのが、国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナー」を利用することです。画面の案内に従って、源泉徴収票の数字や集計した売上・経費などを入力していくだけで、納めるべき税額を自動で計算してくれます。事業所得で青色申告をする場合は、先ほど触れた民間の「クラウド会計ソフト」を利用するのが圧倒的に便利です。

STEP4:申告書を提出し、納税(または還付)する

作成した確定申告書を税務署に提出します。提出方法は、スマートフォンとマイナンバーカードを使って自宅から送信する「e-Tax(電子申告)」が最もおすすめです。ペーパーレスで24時間いつでも提出が可能です。

提出が終わったら、計算された税金を3月15日までに納付してすべて完了です。逆に税金が戻ってくる(還付される)場合は、申告から約1ヶ月〜1ヶ月半後に指定した口座に振り込まれます。


副業を会社に知られたくない場合の対処法

確定申告書の作成時に、住民税の徴収方法を「自分で納付(普通徴収)」に選択することで、会社に副業が知られるリスクを大幅に下げることができます。

「副業をしていることを、できれば本業の会社に知られたくない」というご相談を、同世代の方からよく受けます。会社に副業が発覚してしまう最大の原因は、「住民税」の仕組みにあります。

通常、住民税は前年のすべての所得(本業+副業)を合算して計算され、その通知と請求が本業の会社へ一括で送られます(これを特別徴収と呼びます)。経理担当者がその通知を見たとき、「この社員は、うちの給与だけで計算した住民税より明らかに金額が高い。さては副業をしているな」と気づかれてしまうのです。

住民税の徴収方法を「普通徴収」にする

これを防ぐためには、確定申告書を作成する際、第二表にある「住民税・事業税に関する事項」という欄に注目してください。

「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」という項目で、「自分で納付(普通徴収)」に丸をつけます(パソコンやスマホ作成の場合はチェックを入れます)。これを選択することで、副業の所得に対する住民税の納付書だけが、会社の給与天引きとは別に、直接あなたの自宅へ郵送されるようになります。

会社には本業の給与分の住民税通知しかいかないため、副業による住民税の増加額を知られる心配がなくなるというわけです。

ただし、この方法が使えるのは副業が「雑所得」や「事業所得」の場合に限られます。副業がアルバイトなどの「給与所得」である場合は、自治体によっては普通徴収を選択できず、強制的に本業の給与と合算されて通知されてしまうケースがあるため、十分な注意が必要です。


確定申告を忘れたらどうなる?知っておくべきリスク

無申告が発覚した場合、本来の税金に加えて「無申告加算税」や「延滞税」などの重いペナルティが課されます。

前半の国税庁のレポートの解説でも触れた通り、「たかだか数万円の副業だし、黙っていても税務署にはバレないだろう」と甘く考えるのは非常に危険です。取引先の企業からの支払調書の提出や、銀行口座の情報の紐付けなどにより、税務署はお金の流れを想像以上にしっかりと把握しています。

もし、確定申告が必要であるにもかかわらず無申告であったことが発覚した場合、後から税務調査が入り、重いペナルティが課されることになります。本来納めるべきだった税金に加えて、「無申告加算税(原則15%〜20%)」や「延滞税(遅延利息)」を支払わなければなりません。悪質と判断されれば、さらに重い重加算税が課されることもあります。

申告期限を過ぎてしまってから無申告に気づいた場合でも、税務署から指摘される前に自主的に「期限後申告」を行えば、ペナルティの割合が軽減される救済措置があります。もし過去の申告漏れに気づいたら、一日も早く税務署へ相談に行き、誠実に対応することが傷を最小限に食い止める唯一の道です。


よくある質問

Q. 副業での稼ぎは年間20万円以下ですが、確定申告した方がいいですか?

副業の所得が20万円以下であれば所得税の確定申告は不要ですが、医療費控除を受けたい場合や、報酬から源泉徴収がされていて還付を受けたい場合は、確定申告をすることでお金が戻ってくる可能性があります。また、所得税の申告が不要でも、自治体への「住民税の申告」は1円でも所得があれば必要になる点にご注意ください。

Q. 経費の領収書は税務署に提出するのですか?

領収書やレシートを確定申告書に添付して税務署へ提出する必要はありません。しかし、手元で一定期間(白色申告で5年、青色申告で原則7年)保存しておく義務があります。税務調査が入った際に証拠として提示を求められるため、月ごとに封筒に分けるなどして適切に保管しておきましょう。

Q. クラウドソーシングサイトの手数料は経費になりますか?

はい、経費になります。サイトを通じて報酬を受け取る際に差し引かれているシステム手数料などは、「支払手数料」などの勘定科目で経費として計上できます。手取り額ではなく、手数料が引かれる前の「総額」を売上とし、差し引かれた手数料を「経費」として処理するのが正しい記帳方法です。


考察:確定申告は、副業を「自分のビジネス」に変える第一歩

長年、会社員として組織のなかで働いてきた私たちにとって、「税金の計算を自分でする」という行為は、とても敷居が高く感じられるものです。これまでは会社が年末調整という形で、税金の手続きをすべて肩代わりしてくれていたからです。

私自身、50代を目前にして副業を始めたとき、最初の確定申告の時期には分からないことだらけで、正直に言えば胃が痛くなるような思いをしました。ニュースで「無申告への税務調査強化」という見出しを見るたびに、自分はルールを間違えていないだろうかと不安になったものです。

しかし、実際に一連の作業を終えて数年続けてみた今、振り返ってみると見方が大きく変わりました。筆者としては、確定申告とは単なる「国や税務署への義務」ではなく、「自分のビジネスの健康診断」なのだと考えています。

領収書を一枚一枚整理し、売上から経費を差し引いて「手元にいくら利益が残ったのか」を計算するプロセス。それは、自分自身の働き方やお金の使い方を客観的に見直す絶好の機会です。「このサブスク代は仕事に直結していなかったな」「来年はもっとこの機材に投資して作業効率を上げよう」といった経営者としての視点が、確定申告を通じて自然と養われていきます。

近年、国税庁がシェアリングエコノミーやネット副業への調査を強化しているのは、決して個人をいじめるためではありません。新しい働き方が普及する中で、公平な税負担を求めているだけです。焦って大きな投資をしたり、よく分からない儲け話に手を出したりする必要は全くありません。まずは身の丈に合った小さな仕事から始め、日々の経費をきちんと記録し、年末には正直に確定申告を行う。この地道で誠実なサイクルを回すことこそが、退職後も長く自力で稼ぎ続けるための足腰を鍛えてくれるのだと確信しています。

「デジタルは苦手だから」「税金は難しそうだから」と年齢を理由に始める前から諦めるのはもったいないです。便利なツールに頼りながら、少しずつ新しい知識を吸収していく姿勢を持てば、必ず道は開けます。

なお、本記事は一般的な税務の基礎知識を解説するものです。税制は個人の状況によって適用が変わる部分も多いため、最終的な判断や詳細な疑問については、管轄の税務署や税理士などの専門家にご確認いただくようお願いいたします。


まとめ

会社員が副業で収入を得た場合の確定申告について、最新の税務動向を含めた重要なポイントを振り返ります。

副業の「収入」から「経費」を引いた「所得」が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。無申告への監視の目は年々厳しくなっているため、どんぶり勘定は禁物です。

まずは自分の副業が「給与所得」「雑所得」「事業所得」のどれに当てはまるのかを正しく把握することが第一歩です。令和4年の国税庁の通達にもある通り、しっかりとした帳簿の保存がなければ原則として雑所得扱いとなります。もし継続的に事業として育てていくなら、会計ソフトを活用して大きな節税メリットがある「青色申告」も視野に入れてみてください。

会社に副業を知られたくない場合は、確定申告書の作成時に住民税の納付方法を「自分で納付(普通徴収)」に切り替えることを忘れないようにしましょう。

期限間際になって領収書の山と格闘することがないよう、日頃から少しずつ帳簿を整理しておくことが成功の秘訣です。自分の手で稼いだお金を正しく管理し、定年後を見据えた副業を堂々と楽しんでいきましょう。

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